個人事業主が HP を自作する前に
知っておきたい 7 つのこと
── 30 時間溶かす前に
「ホームページ、自分で作ろうかな」── そう思って手をつけてみたら、思った以上に時間がかかる。デザインや文章で迷い、写真がなくて止まる。最終的に「やっぱり外注」となり、結局時間とお金を二重で使ってしまう。 本記事では、HP を自作する前に押さえておきたい 7 つのチェックポイントを、制作者目線で共有します🌿
はじめに ── 自作は「安い」とは限らない
個人事業主の方からよくいただくご相談に「とりあえず自分で作ってみたんですが、なかなか進まなくて…」というものがあります。
STUDIO や ペライチ、WordPress を触り始めたものの、気づけば週末を 5 回潰している。それでも納得いく形にならず、結局プロに依頼することに。
HP の自作は、確かに金銭コストは抑えられます。
ただし、その代わりに 「時間」「判断疲れ」「中途半端な完成度」 を引き受けることになります。
📌 この記事の目的
自作を否定するわけでも、外注を強要するわけでもありません。
「自作するなら、これだけは先に考えておいた方がラク」というポイントを、制作現場から共有します。
① 「誰に、何を伝えるか」が決まっているか
HP 制作で最も重要、そして最も飛ばされやすいのが「ペルソナと価値提案」です。
「うちのサービスを必要としている人は、どんな人?」
「その人に、1 行で何を伝える?」
これが決まっていないと、トップページの 1 文目が書けません。書けないまま「とりあえずテンプレ通りの文章」で埋めると、誰の心にも刺さらない HP ができあがります。
チェックリスト
- 想定読者を 1 人、具体的に思い浮かべられるか(年齢・職業・悩み)
- その人に伝えたい価値を 1 行 で書けるか
- 競合ではなく "あなた" を選んでもらう理由が言えるか
3 つ全部 "Yes" になってから、レイアウトの話に入っても遅くありません。
② 競合の HP を 5 つ、徹底的に見たか
同業の HP を 5 サイト、ブックマークしてじっくり見てください。
できれば「自分より上手な人」「同じくらいの規模感」「少し変わった切り口」をミックスして 5 サイト。
見るべきポイント
- トップに何を最初に置いているか(コピー?写真?価格?)
- サービス紹介の見せ方(一覧?カテゴリ別?ストーリー仕立て?)
- 料金の出し方(明朗会計?要相談?)
- お問い合わせまでの動線(最短何クリック?)
これを 30 分でも見ておくと、自分の HP に 「ここはマネしたい」「ここは差別化したい」 という軸ができます。
③ 必要なページは何ページか(最低 / 理想)
ページ数が増えるほど、作る時間も維持の手間も増えます。
まずは 「最低何ページあれば事業として機能するか」 を決めましょう。
最小構成の目安
- 1 ページ完結 LP ─ 単一サービス特化(例:オーダーメイド菓子の予約)
- 3 ページ HP ─ トップ / サービス紹介 / お問い合わせ
- 5-6 ページ HP ─ 上記+ About / Works / Blog
「あれもこれも入れたい」と全部詰め込む前に、1 ページから始めて段階的に増やす 方が、現実的で運用も続きます。
④ ドメイン・サーバーの仕組みを理解しているか
「ドメイン」と「サーバー」、それぞれ何のために必要か説明できますか?
ここを曖昧なまま契約すると、毎年の更新で「これ何の請求?」と困ることになります。
最低限知っておきたい
- ドメイン:年間 1,000〜5,000 円程度。
.comや.jpを取得・更新 - サーバー:月 500 円〜数千円。HP のデータを置く場所
- SSL 証明書:HTTPS 化のため。最近は無料の Let's Encrypt が一般的
- Cloudflare Pages や Netlify:静的サイトなら無料で公開できる選択肢も
「サブドメインで無料公開する」「独自ドメインを取って本格運用」など、ステップを分ける選択肢もあります。
⑤ 写真と文章は、誰がいつ用意するか
多くの方が見落とすのが、「コンテンツ準備の工数」 です。
レイアウトは数日で形になっても、「お店の写真がない」「サービス紹介の文章が書けない」で 2 週間止まる ── これが本当によくあります。
事前に決めておきたい
- 店舗写真:自分でスマホ撮影?プロに依頼?フリー素材?
- プロフィール写真:プロフ用 1 枚は最低あった方が信頼感が出る
- 文章:自分で書く?外注ライターに依頼?AI で下書き+自分で推敲?
- 料金表:明朗に出す?「お問い合わせください」にする?
素材選びについては、別記事の 「Soraha が制作で使い分けている、7 つの写真素材サイト」 もご参考ください。
⑥ スマホ表示の確認方法を知っているか
2026 年現在、HP のアクセスの 7〜8 割はスマートフォン から。
にも関わらず、「PC で作って満足、スマホで見たら崩れていた」というケースが後を絶ちません。
確認すべきこと
- iPhone / Android の実機で表示確認(画面サイズが異なる)
- 横スクロールが発生していないか
- ボタンが押しやすいサイズか(最低 44px 四方)
- 文字が小さすぎないか(本文 16px 以上推奨)
制作ツール側の「スマホプレビュー」だけを信じず、必ず実機で確認するクセをつけてください。
⑦ 公開後のメンテナンスを誰がやるか
HP は「作って終わり」ではなく、「公開してからが始まり」です。
公開後にやってくる作業
- 営業時間の変更(年に数回)
- 料金・メニューの改定
- 新しいお知らせ・ブログ更新
- 写真の差し替え(季節ごとなど)
- サーバー・ドメインの更新
- セキュリティ対策(CMS 利用時)
「自分で更新する自信はあるか」「外注なら都度いくらかかるのか」を、公開前に決めておくこと。
📌 3 年後の自分が、この HP をどう感じるか
作り終わった瞬間が完成度のピークになりがちです。
「3 年後も無理なく更新できるか」を、設計時から意識してください。
おわりに ── 「自作するか、外注するか」の判断軸
ここまで読んでくださってありがとうございます。
7 つを通して感じたかもしれませんが、HP 制作で本当に大変なのは「コーディング」ではなく「準備と運用」 です。
自作が向いている人
- 時間に余裕があり、学ぶことが好き
- シンプルな 1 ページから始めたい
- 自分の表現を細かく追求したい
外注が向いている人
- 本業に時間を集中したい
- デザイン・コーディングの判断疲れを避けたい
- 第三者目線で整理してもらいたい
どちらが正しいということはありません。
ただ、迷っている時点で「準備にもう少し時間が必要」というサインかもしれません。
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